見解の相違
ポートレートの場合、老若男女、或いは、その用途の違いも含めて様々なジャンルの撮影がありますが、いずれにしても自分の容姿に対する認識に関しては絶対的なものがあり、それが撮る側との間で極端な開きがある事はまずありません。しかし、商品ということになると、業界に於けるごくノーマルな感覚も、クライアントからすれば時として奇異な現象に感じる場合があります。例えば、鏡面仕上げのステンレス製の調理用品などは、光った素材感を出す為に、中央部にかなり印象の強い暗部分を作るのが通常の撮り方と云えるのですが、全く認識の無い状態で初めてそれを見ると、本来写るはずのない物が存在している様な、相当な違和感を覚えるといった現象が発生するのです。これは、説明してその距離が狭まる様な単純な物ではなく、見解の相違として永久に付き纏う厄介な事象と云う事ができます。商品を的確に表現することが、一般に誰でもが認識できる範囲で遂行出来ない程、特殊な存在であり、また難しいものであることの証なのではないでしょうか。




