シズル感
街を歩いていて最も多く目にする写真と言えばやはり食べ物の画像と感じるのですが、このクオリティーには驚くほどの違いがあります。大人の体と同じくらいの大きさであるにも関わらず、お世辞にも「おいしそう」とは云いがたい、ノイズだらけのポスターを目にすることがあります。かと思うと見ただけで味や香りが想像できるようなリアルな物も存在します。消費者がどちらを選ぶかは一目瞭然です。ではいったいこの両者で何が違うのでしょうか。料理の撮影でシズル感と云うことばをよく耳にするのですが、これは、いかにも目の前に実物が存在するかのようなリアリティーのある表現として使われる業界用語です。果物や野菜であれば、そのフレッシュでみずみずしい雰囲気を出す為にクローズアップで鮮明さを印象付けたり、焼きたて、揚げたてを強調する為に湯気を再現したりと、フォトスタジオの中では様々な工夫が細かな部分にも成されているのです。プロに限らずアマチュアの視点でも、妥協せずに出来上がった画像の分析を的確に行う事で購買力に多いに貢献する写真が仕上がると確信します。結果から浮かび上がる様々な改善点から、コンシューマーの機材でまさか人間大まで拡大することもないでしょうし、食べ物を真上からのアングルで撮っておいしそうであるとは思わないでしょう。シズル感とは云わば自分自身が持つ素直な実感の表現と言えるのではないでしょうか。




