室内自然光の捉え方

屋内での撮影を考える場合、自然光と人工光との区別を明確にした上でそのコンセプトを組み立てなければならない。例えば、ランプシェードや暖炉の光などは生活のために作られたものであり、室内の設備として最初からついているものである為、自然光と考えられる。更に、屋外の光を採り入れて光の明かりとなったもの(カーテンごしの窓からの光など)も全て同列に並ぶ自然光とする。これらの不足分を補う光、例えばタングステンやストロボライト、レフボードからのバウンスライトは全て人工光と考える。室内撮影の醍醐味は雰囲気の描写であり、言ってみれば照明状態のヌケの悪さが魅力のポイントと言ってよい。従って、人工光をメインライトとするのは主流となる屋内撮影とは言いがたく、やはり生活の中にある照明を使って日常のソフトな光の世界を考えるのがベーシックな撮影ワークフローと言えるだろう。下記に具体的な例を挙げてみた。

◇ランプシェード・・・照明器具として柔光を前提として設計されたものが殆どで傘部分に拡散性の高い素材が使われ、ほどのよいディフィーズライティングとして活用できる。但し、ポートレートを前提とする場合、全身をサポートできる光源面積を持っておらず、上半身の撮影には有効である。

◇カーテン越しの窓・・・・面光源として有効に活用できるライトとして広く認識されており、ルームファクターとの併用によって非常に完成度の高い作品を作る場合が多い。但し、屋内の照明とがミックスされると色再現にムラが出来るため、注意を要する。

◇ローソクなどの微光・・・撮像感度を上げたり、絞り値の高いレンズを使用することによって積極的に採り入れなければならないライティング局面と言える。光量の少なさはヌケの悪さに直結するが屋内撮影の象徴的なイメージであり、その場の空気管の表現には適している。このような光を元にポートレートを考えると、暗いものに対する撮影意欲がすなわち屋内写真への創作意欲であるような気さえする。